令和 元年 6月定例会
令和元年六月
山口県議会定例会会議録 第二号
令和元年六月十七日(月曜日) ──────────────────── 議事日程 第二号
令和元年六月十七日(月曜日)午前十時開議 第一
代表質問 第二 議案第一号から第十二号まで(質疑) ──────────────────── 本日の会議に付した事件 日程第二 議案第一号から第十二号まで 会議に出席した議員(四十六人) 塩 満 久 雄 君 林 哲 也 君 木 佐 木 大 助 君 先 城 憲 尚 君 友 田 有 君 髙 瀬 利 也 君 酒 本 哲 也 君 平 岡 望 君 西 本 健 治 郎 君 二 木 健 治 君 宮 本 輝 男 君 藤 本 一 規 君 猶 野 克 君 篠 﨑 圭 二 君 藤 生 通 陽 君 合 志 栄 一 君 小 田 村 克 彦 君 曽 田 聡 君 俵 田 祐 児 君 吉 田 充 宏 君 田 中 文 夫 君 島 田 教 明 君 石 丸 典 子さん 井 上 剛 君 松 浦 多 紋 君 守 田 宗 治 君 森 繁 哲 也 君 槙 本 利 光 君 井 原 寿 加 子さん 橋 本 尚 理 君 山 手 康 弘 君 畑 原 勇 太 君 秋 野 哲 範 君 河 野 亨 君 笠 本 俊 也 君 有 近 眞 知 子さん 森 中 克 彦 君 友 広 巌 君 戸 倉 多 香 子さん 上 岡 康 彦 君 新 造 健 次 郎 君 坂 本 心 次 君 中 嶋 光 雄 君 江 本 郁 夫 君 柳 居 俊 学 君 国 本 卓 也 君 会議に欠席した議員(一人) 新 谷 和 彦 君 議案等の説明のため会議に出席した者 知事 村 岡 嗣 政 君 副知事 弘 中 勝 久 君
総務部長 平 屋 隆 之 君
総務部理事 藤 田 昭 弘 君
総合企画部長 北 村 敏 克 君
産業戦略部長 平 野 展 康 君
環境生活部長 西 田 秀 行 君
健康福祉部長 中 野 恵 君
商工労働部長 福 田 浩 治 君
商工労働部理事 河 村 祐 一 君
観光スポーツ文化部長 正 司 尚 義 君
農林水産部長 山 根 信 之 君
土木建築部長 森 若 峰 存 君
会計管理局長 坂 本 竜 生 君 財政課長 山 本 武 志 君
公営企業管理者 小 松 一 彦 君
企業局長 篠 原 英 道 君 教育長 浅 原 司 君 副教育長 繁 吉 健 志 君
公安委員長 弘 田 公 君
警察本部長 柴 山 克 彦 君
代表監査委員 木 村 進 君
監査委員事務局長 浅 賀 浩 二 君
労働委員会事務局長 小 野 嘉 孝 君
人事委員会事務局長 松 本 道 夫 君 会議に出席した
事務局職員 事務局長 岡 村 達 也 君
事務局次長 前 田 安 典 君
総務課長 山 本 敏 和 君
議事調査課長 山 本 秀 樹 君 秘書室長 宮 本 優 蔵 君
政務企画室長 白 井 雅 晃 君
議事調査課長補佐 作 本 真 得 君 主査兼
議事記録係長 野 村 亘 君 主任 宇佐波 菜 採さん 主任主事 柏 村 奈緒美さん 主事 高 尾 大 輝 君 ───────────── 午前十時開議
○議長(
柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
代表質問
△日程第二議案第一号から第十二号まで
○議長(
柳居俊学君) 日程第一、
代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第十二号までを議題とし、質疑に入ります。
代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。
守田宗治君。 〔
守田宗治君登壇〕(拍手)
◆(
守田宗治君) おはようございます。
自由民主党の
守田宗治でございます。 五月一日に天皇陛下が御即位され、歴史的な改元が行われました。新たな令和という時代の最初の質問者として登壇する栄誉をいただき、感謝を申し上げるところでございます。 改選後初の定例会となる
令和元年六月定例会に当たり、
自由民主党会派を代表いたしまして、県政の諸課題について、知事並びに
警察本部長に質問をいたします。 質問に先立ち、一言申し上げます。 四月に行われました
山口県議会議員選挙において、我が
自由民主党は、各候補を先頭に、責任政党としてのこれまでの実績と、今後取り組んでいくべき政策を広く県内各地で訴え、多くの県民の皆様から御理解と御支持をいただきました。 我が党は、今回の選挙を通じて寄せられた御意見や御要望を村岡県政が進める新たな
県づくりにしっかりと反映させ、どこまでも県民の皆様のための政策の実現に全力で取り組むとともに、
安倍政権のもとで進められている
取り組みとも軌を一にして、県勢発展に力を尽くしてまいることをまずもって申し上げるものであります。 さて、令和の時代となって初めての国政選挙となる
参議院議員通常選挙が目前に迫ってまいりました。歴史的な時代の転換点にあって、急速に進む
少子高齢化や激動する
国際情勢など多くの難関に立ち向かい、この国の未来像をどのように描き、私たちの子や孫の世代に引き継いでいくのか、これは政治に課せられた使命でもあります。 今、国においては、決断力と実行力ある
安倍政権によって、新しい令和の時代を切り開く、令和の時代は地方の時代にとの強い覚悟のもと、経済再生や地方創生など、希望にあふれ、誇りある
国づくりに向けた
取り組みが着実に進められており、今こそ、これらの政策をさらに加速し、我が国の明るい未来に向かう歩みを前に進めていかなければなりません。 また、未来を見据えた
国づくりを行う国の形、理想の姿を語るのは憲法であり、新たな時代にふさわしい憲法改正の議論の活性化にも取り組んでいかねばなりません。 私
ども自由民主党は、
安倍政権のもとで新しい時代の日本をつくり上げていくため、そして活力ある山口県の創生をなし遂げていくため、来る
参議院議員選挙の勝利に向け、全力で取り組んでまいる決意を申し上げ、通告に従い、順次質問をいたします。 最初に、令和の時代を迎えての
県政運営についてお尋ねいたします。 新たな時代を迎え、この歴史の大きな節目に今後四年間の任期を託された我々としても、今こそ、未来の山口県を見据えて、新たな時代にふさわしい
県づくりをしっかりと前に進めていかなければならないと、改めて感じているところであります。 さて、我が
自由民主党は、さきの
選挙活動において、県政に関する数多くの御意見、御要望を頂戴いたしました。
安倍政権発足から六年余り、
米中貿易摩擦など、
国際経済の不確実性や消費増税に伴う経済への影響などの懸念要素はあるものの、
我が国経済は一○%以上成長し、国、地方を合わせた税収も単
年度当たり二十八兆円増加しました。 本県においても、こうしたアベノミクスによる景気の好循環を受け、緩やかながら景気回復が続き、雇用・所得情勢も改善しております。 また、これまで五年間の
村岡知事による「活力みなぎる山口県」の
取り組みの結果、
企業誘致や観光、
子育て支援など、さまざまな分野で地域の活力向上につながる成果が上がってきているところであります。 一方、これまでの国、地方挙げての
取り組みにもかかわらず、東京一極集中がさらに加速するなど、依然として歯どめがかかっていない人口減少問題は、新たな
県づくりを進めていく上で、引き続き最重要課題であります。 特に、中山間地域では高齢化が進み、地域の担い手が減少するという深刻な状況の中で、地域の活力をどのようにして守っていくのか、不安の声も高まっております。 また、全国に比べ十年早く高齢化が進み、全国でも有数の超高齢社会を迎えた本県において、住みなれた地域で安心して暮らしていくための医療・介護の提供体制の確保は重要な課題であります。 さらには、近年、頻発する大規模な
自然災害から、県民の生命・財産を守り抜くための県土の強靭化や
地域防災力の強化など、県政には克服すべき喫緊の課題が山積しています。 令和という元号に込められた、一人一人の日本人があすへの希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした願いの実現に向けて、今後の
県づくりに邁進していかなければならないのであります。 そこでお尋ねいたします。歴史的な皇位継承が行われ、新元号がスタートし、歴史の大きな転換点を迎えた今、多くの県民の声を踏まえ、知事は、令和の時代の幕あけにふさわしい
県づくりを進めるため、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、産業・
交流基盤の整備についてお尋ねいたします。 本県の活力の源となる産業力を強化し、人や物の流れを飛躍的に拡大させ、さらなる経済の活性化を図るためには、その基礎となる
基盤整備を強化することが重要な課題であります。 中でも、本県の経済特性を踏まえると、
瀬戸内産業の競争力の再生・強化が不可欠であることから、それを支える
産業基盤の整備については、山本前知事から
村岡知事にわたって一貫して強力に進めてこれらたことを、我が会派としては高く評価しているところであります。 その
取り組みのうち、まず港湾の機能強化では、
瀬戸内沿岸のコンビナートの
国際競争力強化に向け、本県の強みを生かした
国際バルク戦略港湾の整備促進を進めてきており、これまでの
取り組みによって、やま
ぐち港湾運営株式会社の設立や徳山下松港の
特定貨物輸入拠点港湾への指定など、着実な成果を残してまいりました。 今後においては、
県内企業のさらなる
国際競争力の強化に向け、ハード・ソフトの両面から、
国際バルク戦略港湾の
取り組みを一層推進していくことが必要となります。 次に、
幹線道路網の整備については、これまでの
取り組みにより、
産業振興を支える物流機能の強化や
広域交通拠点の
アクセス向上など、さまざまな成果が上がってまいりました。 しかしながら、
高速交通体系の根幹をなす山陰道では多くの未着手区間が残っており、また、都市部の慢性的な渋滞や
自然災害による
通行規制などの課題は解消されていないことから、
幹線道路網の整備は道半ばであります。 このため、我が党では、これまで山陰道の全線開通を初め
下関北九州道路の早期実現、
岩国南バイパス南伸など、県土の骨格をなす
幹線道路網の整備を強く訴えてまいりました。 県も、地域の実情を踏まえ、あらゆる機会を捉えて、国に対し
幹線道路網の整備を強く要望されており、こうした
県執行部と議会が一体となった要望活動の結果、本年三月には、
岩国南バイパス南伸について、一般国道百八十八
号藤生長野バイパスとして本年度から新規事業化されることが決定し、また、
下関北九州道路や国道百八十八号柳井・
平生バイパスについても、今年度から国の
直轄事業としてより詳細な調査が行われることとなるなど、大きな成果が得られたところであります。 今後は、事業化された区間の早期完成はもとより、未着手の区間についても、この機を逸することなく、
早期事業化に向けた動きを加速化させ、山陰道や
地域高規格道路を初めとした
幹線道路網の整備をさらに強力に進めていただきたいと思うのであります。 そこでお尋ねいたします。知事の掲げる
産業維新、大交流維新を実現するためにも不可欠である、本県の強みを生かした産業力の強化とさらなる交流の拡大に向け、
国際拠点港湾を初め港湾の整備、
幹線道路網の整備など、産業・
交流基盤の強化に今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、
大島大橋損傷事故についてですが、橋や送水管の
復旧工事にもおおむねめどが立ち、島内も落ちつきを取り戻しつつあることから、ここで今回の事故への対応等について総括的にお尋ねいたします。 昨年十月二十二日に、ドイツの
船会社オルデンドルフ・キャリアーズ社所有の
大型貨物船が
大島大橋に衝突、損傷させ、送水管を切断する事故が発生し、四十日以上に及ぶ断水や人・物の著しい
移動制限など、島の皆様は心身ともに大変な御苦労の日々を過ごされました。 また、観光・宿泊施設ではキャンセルが相次ぎ、特産品の
大島ミカンや鮮魚などの出荷も制限を受けるなど、島の経済は壊滅的な打撃を受けました。 県では、事故発生直後から全庁挙げて対策に当たり、一日も早い橋の復旧作業に取り組むとともに、島の皆様の日常生活を支えるため、関係機関の協力を得ながら、給水、輸送、医療、通学手段の確保など、さまざまな支援に取り組まれました。 また、この間、
地元議員である
柳居議長におかれては、みずから先頭に立って関係各所に地元の声を届けられるなど、あらゆる支援の実現に奔走されたところであります。 そうした
取り組みの結果、十二月上旬には島の給水が再開し、橋の一般車両の全面通行が可能となったことから、県は
周防大島町を初め関係団体と連携して、昨年十二月から本年五月までの間、事故で特に大きな影響を受けた
観光産業や
農林水産業、商工業を総合的に支援する
周防大島復興支援パッケージに取り組まれてきました。 これまで経験したことのない事故によって、地域が危機的な状況に陥り、全てが手探りの中で、短期間のうちに復旧から復興へと懸命な
取り組みが続いたわけですが、この間の知事を初め
県執行部の迅速かつ的確な対応に、我が会派としても敬意と謝意を表するものであります。 事故から八カ月が過ぎた六月四日、昨年一年間の
周防大島町の観光客数は前年比一○・九%減の九十四万人余りで、三年ぶりに百万人を下回ったとの報道を目にしました。今回の事故の影響の大きさを改めて感じるとともに、
観光産業や
農林水産業、商工業などが受けた被害の甚大さも懸念しているところであります。 一方、
オルデンドルフ・キャリアーズ社は、去る二月七日に
広島地方裁判所に
船主責任制限法に基づく
責任制限手続開始の申し立てを行い、同月十五日には地裁が
責任制限手続の開始決定をしました。自社の引き起こした重大な事故に真摯に向き合わず、権利を主張する同社の姿勢には憤りを禁じ得ません。 県におかれては、引き続き、島の皆様の思いに寄り添いながら、
損害賠償の手続を進めていただきたいと思うのであります。 突然の事故で大変な混乱を生じた
周防大島でしたが、国や県、
地元周防大島町を初め多くの関係者の尽力によって、地域は落ちつきを取り戻し、今月末には橋の本
復旧工事も
完了見込みであるなど、復興への道のりも確かなものになりつつあり、我が会派としてもこの間の
取り組みを高く評価しております。 同時に、過去に例のないこの間のさまざまな
取り組みはしっかりと精査し、今後に生かしていく必要があると考えます。 また、
損害賠償を初め、橋の老朽化への対策や第二水源の確保など、残された課題にも引き続き万全の対応が必要と考えるものであります。 そこでお尋ねいたします。県は、これまでの
周防大島町の
復興支援策などの
取り組みの結果として、
周防大島町の現状をどのように評価しているのか、また、今後、残された課題にどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、
イージス・アショアの配備についてお尋ねいたします。 去る五月二十八日、原田防衛副大臣が来県され、昨年十月から国が進めてきた、
むつみ演習場への
イージス・アショアの配備の可否に関する調査の結果について説明がありました。 国からは、レーダーによる電磁波の影響や周辺の環境への影響、住民の安全を確保するための措置等について、現地での調査結果と具体的な対策や措置の内容が明らかにされ、その上で、防衛省としては
むつみ演習場に
イージス・アショアを安全に配備、運用できると考えているとの検討結果が示されました。
地元自治体では、萩市長が判断の基準として、国益にかなうこと、住民の安心・安全が確保されること、
まちづくりが大きく阻害されないことの三点を示され、このたびの国の検討結果について検証を行う意向を示しておられます。 一方、阿武町長は、
イージス・アショアの
国内配備そのものには理解を示しながらも、町民の過半数が反対の意向であることや定住施策への影響が懸念されることなどから、先日、防衛省を訪問し、配備計画の撤回を要請されました。 国民の生命と財産を守り抜く責任を有する我が
自由民主党としては、
北朝鮮情勢を踏まえた上で、長期的な国防の観点から、
イージス・アショアにかわる適切な
防衛措置がないのであれば、国から配備に向けた提示を受けていることについては理解するところでありますが、地元の皆様の不安や懸念を払拭するため、国において具体的でわかりやすい説明をしっかりと行っていただきたいと、従来から申し上げてまいりました。 このたびの調査結果は、県や
地元市町の意向も踏まえ、現地の実態に即して調査・分析されたものであり、今後、この結果に基づき、より具体的でわかりやすい説明がなされることを期待するものであります。 こうした中、先日、防衛省が作成した資料のうち、秋田市での調査結果において、代替地に関する
調査データに誤りがあったことが判明しました。
調査データは全ての判断の基礎となるものであり、何よりもこうした事態は国との信頼関係を損ないかねません。国は、しっかりと状況を確認し、説明するべきであります。 また、県は
地元市町とともに、国に対し、六月十四日付で、十六項目からなる四度目の文書照会をされています。国においては、地元の声に一つ一つ丁寧に対応し、国の責任において、必要な説明を何度でも重ねていただくことを強く願うものであります。 そこでお尋ねいたします。県は、このたび示された国の
現地調査と検討結果をどのように受けとめているのか、また、
地元市町からそれぞれの意向が示される中、県は今後この問題にどのように対応していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、
上関原発建設計画についてお尋ねいたします。
福島原発事故から八年たちましたが、周辺住民は依然避難生活を余儀なくされており、一日も早い福島の復興・再生に向け、国や事業者が一丸となって、廃炉・汚染水問題の
根本的解決や
原子力賠償、除染、
中間貯蔵施設事業、
風評被害対策などの
取り組みを進めていく必要があります。 また、このような事故を二度と起こさないため、国は
原子力安全規制に関する組織として
原子力規制委員会を設置し、事故の教訓や最新の
技術的知見等を踏まえた新たな規制基準を策定し、原子力発電所の安全対策の強化がなされているところであります。 さらに、昨年夏に策定された第五次エネルギー基本計画では、安全性の確保を大前提に、原子力を重要なベースロード電源と位置づけ、新規制基準に適合すると認められた原発の再稼働を進め、二○三○年度の原子力の比率を二二%から二○%程度とするエネルギーミックスの確実な実現を目指すとされたところであります。 また、再稼働を進めるに当たっては、国が前面に立ち、立地自治体等の理解と協力が得られるよう、原発の安全対策やエネルギー政策上の必要性等についての丁寧な説明や、避難計画の策定を支援するなどの
取り組みを行い、現在、九基が営業運転を行っております。 私どもは、安倍内閣のこうした
取り組みは、原発依存度を可能な限り低減させる方針のもと、バランスのとれた電源構成を実現するため、将来にわたって原子力発電を一定比率活用するものであり、まさに現実を見据えた責任あるエネルギー政策と評価しております。 そこで、原子力発電をめぐる国のエネルギー政策について、知事はどう受けとめているのか、まずお尋ねいたします。 さて、知事は、平成二十八年八月三日に、中国電力に対し、埋立免許の期間延長を許可する一方で、埋立工事については発電所本体の着工時期の見通しがつくまで施行しないように要請を行われました。 私どもは、知事のこの対応は、埋立地の上物である発電所本体の着工時期の見通しがつかない状況にある中、公有水面埋立法に基づき処分を行う責務を有する免許権者としては、法律上の要件を満たしていれば許可をしなければならないということを考慮すると、適切かつ妥当なものであったと受けとめています。 その後、約三年が経過し、埋め立ての竣功期限が間近となる中、去る六月十日に、中国電力から県に対し、期間延長の申請がなされたところであります。 そこでお尋ねいたします。このたびの延長申請に対し、知事はどのように対応されるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、警察行政のうち、歩行者の交通安全対策についてお尋ねいたします。 この問題に関連し、歩行者になることが多い子供の安全確保に関して、最近、重大な事件・事故が発生しました。 本年五月八日、滋賀県大津市において、交差点で衝突した車両が散歩中の保育園児の列に激突し、園児二人の命が失われたほか、十四人が重軽傷を負う交通事故が発生しました。 また、五月二十八日には、川崎市内の路上で刃物を持った男に小学生や大人二十人が次々と襲われ、通学中の小学生一人と三十九歳の男性の命が失われるという事件が発生しました。深い悲しみを覚えるとともに、お亡くなりになられた方々の御冥福と、けがをされた方々の一日も早い回復を心よりお祈りをいたします。 いずれも将来ある若者の命が突然奪われた大変痛ましい出来事であり、こうした凶悪な事件や悲惨な交通事故防止に向け、社会全体で取り組むことの重要性を痛感するものであります。 さて、近年の交通事故発生件数は全国的に減少傾向であり、本県でも人身事故は平成十二年以降減少を続け、昨年の死者数についても、記録が残る昭和二十六年以降、最少の五十二人となっております。 一方、本県の歩行者の交通事故死者数は、平成二十年は三十三人で平成二十九年は二十九人と、この十年間で大きな変化はありません。 特に、近年では、横断歩道を横断中の高齢者や登下校中の子供が犠牲となる交通事故が多発しており、歩行者の交通安全対策は急務であります。 大津市の事件後、栗生警察庁長官は記者会見で、さらなる広報啓発や指導、取り締まりを行うとともに、関係機関による通学路・通園路のガードレールなど安全施設の整備を促進し、交通死亡事故を防いでいきたいと述べ、ソフト・ハード両面の対策の必要性を改めて強調されております。 県民の安心・安全な暮らしの実現に向け、県警察におかれては、ドライバーの交通安全意識の一層の向上と、道路交通環境の整備、車両の安全対策など、さまざまな観点から対策を進めていただきたいと思うのであります。 そこでお尋ねいたします。深刻な歩行者の交通事故が発生している現状を踏まえ、今後、歩行者の交通安全対策にどのように取り組んでいくのか、
警察本部長の御所見をお伺いいたしまして、
代表質問を終わります。 御清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(
柳居俊学君)
村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 守田議員の
代表質問にお答えします。 まず、令和の時代を迎えての
県政運営についてのお尋ねです。 五月一日、令和という新しい時代が幕をあけました。新たな令和の時代が、平和で穏やかに、そして県民の皆様が夢や希望を持って暮らせる時代になることを心から願っています。 そうした中で、本県の現状を見れば、
安倍政権の政策とも連携しながら進めてきた地方創生など、さまざまな
取り組みにより
企業誘致が着実に進み、有効求人倍率も高水準で推移し、観光客数も過去最高を更新するなど、各分野で成果があらわれています。 一方で、少子化や若者の県外流出による人口減少の急速な進行や、地域間・国際間の競争の激化、頻発する
自然災害など、本県を取り巻く環境は厳しさを増しています。 私は、こうした本県を取り巻く環境に真正面から向き合い、山口県を令和の時代にふさわしい、安心と希望に満ちあふれたものにつくり上げていくため、やまぐち維新プランに掲げる三つの維新の
取り組みを本格的に展開し、新たな時代の
県づくりに挑戦していきます。
産業維新では、本県経済の原動力である
瀬戸内沿岸の産業やものづくり技術の集積を生かし、第四次産業革命と言われるAIやIoT等の新技術を積極的に活用しながら、新たなイノベーションの創出を図っていきます。
県内企業の大多数を占める中小企業に対しては、深刻化している人手不足に対応するための人材確保や、生産性向上を図るIoT導入を支援をするほか、全県的なキャッシュレス決済の導入促進などに
取り組みます。 大交流維新では、選ばれる観光目的地やまぐちの実現に向けて、絶景や温泉等の本県の観光資源などを生かしたプロモーションの展開や、国内外での市場開拓などにより、人や物の流れを拡大していきます。 生活維新では、深刻さを増す医師や介護人材の不足に対応するための医療・介護の提供体制の充実や、地域活力の低下が著しい中山間地域の活性化に取り組んでまいります。 また、災害に強い
県づくりを進めるため、昨年の七月豪雨災害を教訓として、災害時における逃げおくれゼロの実現に向けた避難促進体制の構築や防災意識の底上げ、国の緊急対策を活用した防災・減災緊急対策などに
取り組みます。 安倍総理は、令和の時代は地方の時代、地方創生を新たな次元へと押し上げていくとされ、地方創生も次のステージへと進められていくことから、本県もこうした動きにしっかりと呼応し、国の政策と連携を図りながら、三つの維新の
取り組みをさらに強化していきます。 私は、令和という新たな時代を切り開いていくため、県民の代表である県議会の御意見や御提案もしっかりと伺い、市町や関係団体など多様な主体とも連携・協働しながら、「活力みなぎる山口県」の実現に全力で取り組んでまいります。 次に、産業・
交流基盤の整備についてのお尋ねにお答えします。 私は、活力に満ちた産業や活気ある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らせる山口県をつくっていくため、三つの維新に挑戦し、本県の強みや潜在力を最大限に生かした産業力の強化や交流の拡大などに全力で取り組んでいます。 こうした
取り組みを着実に進めていくためにも、お示しのとおり、その基盤となる港湾や
幹線道路網の整備が必要不可欠であると考えています。 まず、港湾については、本県産業の屋台骨である
瀬戸内産業の
国際競争力強化を図るため、港ごとに異なる企業ニーズや取扱貨物の動向等を踏まえ、物流コストの削減に寄与する港湾の機能強化に取り組んでいるところです。
国際バルク戦略港湾については、ハード面では、国との連携のもと、徳山下松港の下松地区における大水深桟橋、徳山地区、新南陽地区及び宇部港における航路・泊地などの公共施設整備を計画的に進めていくこととしています。 また、下松地区では、今年度から、官民協働で設立した港湾運営会社による初の施設整備として、大型荷役機械の整備に着手することとしています。 ソフト面では、徳山下松港が
特定貨物輸入拠点港湾に指定をされたことを受け、関係企業と連携して、石炭の共同輸送の促進に関する具体的な手法等を取りまとめた特定利用推進計画をことし三月に策定したところです。 さらに、今年度には、港湾運営会社において新南陽地区の埠頭運営を開始することとしており、引き続き、この会社を核として、ハード整備の効果を高めるためのソフト対策を官民一体で積極的に進めてまいります。 次に、
幹線道路網については、迅速かつ円滑な物流や交流人口の拡大を実現するため、選択と集中の視点に立ち、高規格道路を初め、国道、県道の計画的な整備に取り組んでいるところです。 まず、中国自動車道や山陽自動車道と一体となって
高速交通体系の根幹をなす山陰道については、全線の着実な整備につなげるため、今年度供用予定の長門・俵山道路を初めとした事業中区間の一日も早い完成はもとより、未着手区間の
早期事業化に向け、政府要望や知事会等も通じ国に要望するなど、積極的に取り組んでまいります。 次に、
地域高規格道路を初めとした幹線道路のうち、今年度新規事業化された国道百八十八
号藤生長野バイパスなどの事業中区間については、早期完成に向け、国や
地元市町と緊密に連携しながら、事業の円滑な推進に向けた環境整備に努めてまいります。 また、今年度、直轄調査が開始されることとなった
下関北九州道路や国道百八十八号柳井・
平生バイパスなどの未着手区間については、
早期事業化を目指し、引き続き関係機関が一体となり、整備効果を取りまとめ、地元の合意形成を図っていくなど、さまざまな
取り組みを精力的に展開していく考えです。 とりわけ、重要性・緊急性が明白であり、長年にわたり要望活動を積み重ねている
下関北九州道路については、二県二市が連携をして、直轄調査に積極的に協力するなど
取り組みを強化し、早期の実現を目指してまいります。 私は、「活力みなぎる山口県」の実現に向け、引き続き、県議会の皆様方のお力添えをいただきながら、産業・
交流基盤の整備に積極果敢に取り組んでまいります。 次に、
大島大橋損傷事故についてのお尋ねにお答えします。 昨年十月に発生した
大島大橋損傷事故に伴い、島の皆様は、断水や通勤・通学等の移動の制限、生活物資の不足など大変な苦労を強いられ、また、観光客の落ち込みなどにより、地域経済にも深刻な影響が生じました。 私は、住民の方々が一日も早くもとの生活を取り戻すことができるよう、事故発生直後から橋や水道の復旧に全力を挙げて取り組むとともに、
周防大島町の観光や経済面の回復に向けて、
周防大島復興支援パッケージによるさまざまな支援を行ってきたところです。 具体的には、まず
周防大島町の復興を応援する機運の醸成が重要との考えのもと、
周防大島応援キャンペーンを展開し、島の魅力を発信する観光・物産イベントを県内外で開催するとともに、各種メディアを活用したPRを広域的・集中的に実施いたしました。 これとともに、島外から一人でも多くの観光客を呼び込むため、個人旅行者向けの割引宿泊券の販売や旅行会社の企画商品への助成等を行った結果、十二月以降の観光客数は前年同期を大きく上回って推移しており、事故発生後における約十万人の落ち込みも吸収ができたところです。
農林水産業においては、出荷最盛期を迎えていた
大島ミカンの速やかな収穫を図るため、島外からの収穫サポーターの確保支援や援農ボランティアの派遣に
取り組みました。 これにより、出荷量は当初計画どおりの二千六百五トンが確保され、
周防大島はもとより、本県を代表する特産品である
大島ミカンのブランドをしっかりと守ることができたと考えています。 また、島内の小売店舗や飲食店などで利用可能な割引クーポン券の配布により、四千万円を超える町内の消費が創出されたことなどから、小売事業者等の売り上げもほぼ回復しているところです。 こうした総合的な支援の切れ目ない実施により、
周防大島町内での経済波及効果は四億七千万円程度に及ぶものと試算をしており、私としては町の観光や経済の早期復興に資することができたものと考えています。 一方で、お示しのように残された課題もあり、
大島ミカンについては、事故に起因した摘果のおくれ等から、今後、ミカンの樹勢が低下する可能性もあるため、引き続き経過観察を行い、適切な技術支援を行っていくこととしています。 また、今回の事故を教訓として、私は島の特性を踏まえたインフラ整備の重要性を改めて認識したところであり、老朽化した
大島大橋の抜本的な補強対策や
周防大島町内における第二水源の確保等について、今後、国や町と連携しながら検討を進めたいと考えています。 そして、何よりも、今回の事故を引き起こし、
周防大島町の皆様に大きな苦痛を与え、島の経済に甚大な損害をもたらした加害船舶の船会社の責任を徹底して追及してまいります。 現在、相手方の申し立てにより、
広島地方裁判所が行った
責任制限手続開始の決定に対し、広島高等裁判所に即時抗告をし、審理が進められているところであり、被害を受けられた住民や事業者の方々の思いを踏まえ、
周防大島町等と緊密に連携しながら最大限の努力を行ってまいります。 私は、これら残された課題に積極的に取り組むとともに、今回の
取り組みを改めて精査し、対応記録として取りまとめた上で市町や関係団体等との共有を図り、今後の災害や県民の安心・安全を脅かす危機事象への対応にしっかりと生かしてまいります。 次に、
イージス・アショアの配備についてのお尋ねにお答えします。
イージス・アショアの配備候補地とされている陸上自衛隊
むつみ演習場を対象に、国が進めてきた各種調査等の結果について、先月二十八日に原田防衛副大臣から説明があり、
むつみ演習場において
イージス・アショアを安全に配備、運用できるとの国の意向が伝えられました。 説明の中では、
イージス・アショアのレーダー波は周辺住民の健康に影響を与えないこと、配備によって地下水等の水環境に影響はないことなどの調査結果とともに、保安距離の設定や迎撃ミサイルのブースターを演習場内に確実に落下させるための措置など、地域住民の安心・安全を確保するさまざまな対策が示されたところです。
イージス・アショアが配備された場合の影響等については、これまでも
地元市町と連携し、三回にわたって国への文書照会を行ってきており、私としては、このたびの説明内容について、地元の意向や要望も踏まえながら、現地の実態に即した詳細な調査や検討がなされたものと受けとめています。 その一方で、もう一つの配備候補地である秋田市の新屋演習場の調査では、他の国有地への配備を検討するために用いた図面の縮尺に不整合があり、
調査データの一部に誤りがあったことが先日明らかとなりました。
むつみ演習場の調査においては、これと同じ手法による検討は実施されていませんが、調査の結果や説明をめぐる秋田での一連の出来事は国への信頼を揺るがしかねないものであり、私としては、近く来県を予定されている岩屋防衛大臣に対し、こうしたことが二度と起こらないよう要請したいと考えています。 そして、その上に立って、国においては、このたびの調査結果等に基づき、地域住民の目線に立ち、その思いに寄り添った、詳細でわかりやすい説明を尽くしていただかなければなりません。 既に、今月六日から本日にかけて、地元の議会や住民への説明会が開催されているところですが、その状況も踏まえながら、安心・安全に対する地元の不安や懸念が払拭されるよう、必要な説明を何度でも重ねていただく必要があると考えています。 また、県としても、調査結果等の内容について十分な確認を行うとともに、独自に検証したいとされている萩市の
取り組みをサポートしていくこととしています。 これを進めるに当たり、先週十四日には、不明な点やさらに説明を求めたい事項について、四回目となる国への文書照会も行ったところです。 私は、国の役割と責任に属する防衛政策は、これを尊重する一方で、県民の安心・安全を確保する立場から言うべきことは言うとの姿勢で、
イージス・アショアの配備について、引き続き
地元市町と連携しながら、国に対し地元の意向を踏まえた真摯な対応を強く求めてまいります。 次に、
上関原発建設計画についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、原子力発電をめぐる国のエネルギー政策についての受けとめです。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことのできないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。 したがって、私としては、原子力発電をどうするかについては、安全性・信頼性の確保を大前提に、国の責任において判断されるべきものと考えており、その判断については国民の理解が得られるよう、国が前面に立って取り組んでいただきたいと考えています。 こうした中、お示しの第五次エネルギー基本計画において、原子力は、安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源として位置づけられています。その上で、二○三○年のエネルギーミックスにおける電源構成比率の実現を目指し、必要な対応を着実に進めることとされています。 また、二○五○年に向けては、原子力は現状実用段階にある脱炭素化の選択肢であり、社会的信頼回復のため、人材・技術・
産業基盤の強化に直ちに着手し、安全性等にすぐれた炉の追求や、廃炉・廃棄物処理等バックエンド問題の解決に向けた技術開発を進めていくとされています。 私としては、これまでも申し上げているとおり、国のエネルギー政策は尊重しつつ、今後、国において、この計画の実行に向けた
取り組みが行われることから、引き続き、その動向を注視してまいりたいと考えています。 次に、埋立免許の延長申請についてです。 延長許可に当たっては、これまで埋立免許権者として、公有水面埋立法に基づき、適正な審査を公正な立場で行う責務があることから、今後、埋め立てを続行するのに十分な理由があるかどうかなど、法律上の要件である正当な事由の有無について厳正に審査し、適正に対処してきたところです。 このたびの延長申請については、現在、担当部局において申請内容を精査し、審査を行っているところでありますが、その判断に当たっては予断を持つことなく、どこまでも法令に従って適切に対処してまいりたいと考えています。
○議長(
柳居俊学君) 柴山
警察本部長。 〔
警察本部長 柴山克彦君登壇〕
◎
警察本部長(柴山克彦君) 歩行者の交通安全対策についてお答えいたします。 まず、県内の交通事故で亡くなられた歩行者の状況ですが、昨年の交通事故死者五十二人のうち、亡くなられた歩行者の方は十九人です。平成二十一年には三十二人の方が亡くなられていましたので、ここ十年で見ますと、全体としては減少傾向にあります。 また、この十九人の方のうち、夜間亡くなられた方は十三人で、どなたも反射材を着用されていませんでしたし、相手方の車の前照灯は全てロービームでございました。 このほか、過去十年間で中学生以下のお子さん三人が歩行中に亡くなられておりますけれども、そのうち一人が下校中の事故で亡くなられています。 このような情勢と、議員御指摘のように他県でお子さんが犠牲となる痛ましい交通事故が発生している状況を踏まえ、県警察では歩行者、とりわけ高齢者や子供を交通事故から守るために、関係機関・団体と連携して、さまざまな対策を講じております。 具体的には、まず悪質なドライバーを道路交通の場から早期に排除することが肝要なことから、交通事故の発生が多い場所や時間帯を選定した取り締まりや、登下校時間帯の通学路での一斉取り締まりを実施しております。 また、取り締まりのみでは十分でないことから、高齢者や登下校中のお子さんが交通事故に遭わないよう、さまざまな広報や街頭活動を行っております。 例えば、反射材を多くの高齢者の方に着用していただくために、反射材の視認効果を実感していただく体験型の講習会を開いております。また、交通情報板で、暗い夜道でのハイビームへの切りかえを訴えるなどしております。 このほか、ボランティアの方と連携して、登下校中の子供の見守り活動を行っております。 県警察としては以上のような対策を行っておりますが、警察のみでは必ずしも十分ではありません。例えば、今申し上げました見守り活動や広報もそうですし、通学路や道路交通環境に事故への危険性がある場合があります。 そのため、学校・幼稚園関係者や道路管理者と協働して、通学路や園児の散歩経路の点検などを行って、交通安全教育のほか、安全な通行ルートの選定を行っております。 また、警察と道路管理者との間では、死亡事故などの重大事故が発生した場合には共同して現場点検などを行い、必要があると認められた場合には道路交通環境の改善を行うシステムがあります。 今後、子供の交差点や通学路などでの死亡事故のほか、重傷事故もこの点検の対象に県警察として加え、道路交通環境の面からも、道路管理者と連携して、事故防止に努めてまいります。 県警察といたしましては、今申し上げましたような対策を推進し、歩行者の安全の確保に取り組んでまいります。
○議長(
柳居俊学君) 曽田聡君。 〔曽田聡君登壇〕(拍手)
◆(曽田聡君) 皆様、おはようございます。公明党の曽田聡でございます。
令和元年初めての定例議会におきまして、公明党を代表して質問させていただく前に、一言申し上げます。 平和を希求し続けた平成の三十年間から、この五月一日より令和の時代を迎えました。よき平和、よき調和として解釈される令和、外務省は英訳をビューティフルハーモニー、美しい調和と発表されました。 公明党は、人口減少や
少子高齢化の進行に加え、経済のグローバル化や技術革新のスピードも速く、日本社会の変革は待ったなしの状況で迎えた新たな令和の時代、この課題解決に向け、知恵を絞り、一人の小さな声に耳を傾け、一人一人の幸福に光を当てる人間主義の政治をさらに推進してまいることを申し上げ、質問に入らせていただきます。 初めに、未来を切り開く三つの維新への挑戦のうち、大交流維新についてお尋ねいたします。 本県の人口は、本年五月時点でおよそ百三十六万人と、一九八五年以降、一貫して減少を続けてきており、二○四五年にはおよそ百万人前後となると見込まれています。 改めて言うまでもないことですが、人口の減少は物やサービスを消費する人が減ることであり、地域の需要が減少し、経済力の低下を招く大きな要因です。このため、それぞれの地域の潜在力を生かし、人や物の流れを飛躍的に拡大して、地域を活性化し、経済の好循環を実現していかなければなりません。 まず、交流拡大の中核を担うのは観光であります。観光は、交通、宿泊施設、飲食に加え、
農林水産業など幅広い分野に関連し、地域経済全体の生産や雇用への波及効果が著しく大きい分野です。 観光庁が発足してから十年余り、本年は、国内十二都市で開催されるラグビーワールドカップ二○一九日本大会、さらにこれからも東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会など、大規模イベントの開催が予定されています。 訪日外国人の長期滞在による消費拡大が期待されるほか、地域の魅力を発信する大きなチャンスとなるもので、開催効果を最大限に活用し、本県の交流人口の拡大に確実につなげていかなければなりません。 また、こうした
取り組みを支える道路網の整備、二次交通アクセス等の充実など、着実に
基盤整備を進めていく必要もあります。 さらに、本年は、政府が掲げる農林水産物・食品輸出一兆円の目標達成がかかる一年でもあります。 知事も御承知のとおり、鳥取県、島根県に次いで人口の少ない高知県では、
産業振興計画の
取り組みの柱として、従来から地産外商の推進に取り組んでおられます。 本県においても、県産品や農林水産物だけでなく、
県内企業の技術などの売り込みなど、大都市圏に加え、成長著しい海外市場への展開を図り、いわゆる外貨を稼いでこなければなりません。 また、国の地方創生に関する政策と呼応しながら、本県最大の課題である人口減少の克服と地方創生の実現に向けて、自治体がつくった地方版総合戦略も今年度で最終年度を迎えますが、東京圏一極集中がさらに加速する中、私の出身であるお隣の島根県では、社会減の数値目標を達成し、二○四○年に社会減をゼロにしようと目標の上方修正を行っています。 本県においては、社会減の拡大という残念な状況にありますが、先月開催された「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議の中では、移住相談件数の増加や認知度の向上が図られているとの明るい話題も見受けられたところです。 本年からは、
村岡知事が提案された国の移住者に対する支援金給付も開始され、本県でもコンシェルジュによる移住希望者への支援にも取り組まれており、移住希望者を確実に本県へ呼び込み、定住に結びつけていかなければなりません。 そこでお尋ねいたします。
県づくりの基本目標である「活力みなぎる山口県」の実現に向け、やまぐち維新プランに掲げる大交流維新に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、防災・減災対策についてお尋ねいたします。 戦国屈指の武将・武田信玄は、孫子の兵法などをもとに際立った軍略を展開しましたが、公知のとおり、戦に明け暮れただけではありません。四方を山に囲まれた甲府盆地は、たびたび水害に見舞われ、そのたびに田畑は砂や泥に覆われ、収穫どころではなく、そこで
国づくりのかなめとしたのが治水であり、この善政から領国の安定につなげたことは、御案内のとおりでございます。 この治水は政治と同義とされ、平凡社の新訂字訓によりますと、農耕のことは政治の大もとであるから、治水のことがまた政治の意となったとあります。 国では、豪雨による浸水や土砂災害、地震・津波などの大規模な
自然災害から生命・財産を守るための重要インフラのほか、自衛隊、警察、消防、海上保安庁等による救助・救急、医療活動等に係る施設、行政機関による
自然災害対応に必要な基盤施設、避難行動に必要な情報などの防災のための重要インフラ等について、大規模な
自然災害時における機能維持を図るための対策を講ずるとし、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を示されました。 本県でも今月、国に対して、防災・減災対策の推進について十項目の重点事項を提案・要望されたところであり、県民の生命・財産を守るため、そして安心・安全を確保するための
取り組みを強化されようとしておられます。 ソフト対策として、今月九日の日曜日には、いわくに消防防災センターをメーン会場として、二○一九年山口県総合防災訓練を開催され、多くの関係団体の方が訓練に参加され、訓練の様子を多くの県民の方々が見学されておられました。このような訓練、防災イベントを数多く開催することで県民の防災意識が高まることと期待いたします。 ハード対策として、特に近年相次ぐ豪雨災害に備えた対策が必要と考えます。洪水対策として河川のしゅんせつ、立ち木の伐採、対策の強化、土砂災害対策として、渓流における砂防・治山対策、内水浸水対策の強化など、県民の声として、私たち公明党のもとに届いております。 また、大規模な
自然災害発生時に復旧・復興拠点や復旧のための生活物資等の中継拠点となる防災拠点機能をあわせ持つ都市公園、平時は、県民の憩いの場として多くの方が訪れる公園として、有事には、そのまま防災に資する公園として使用できる防災公園の整備も進んでいます。 そこでお尋ねいたします。県民の生命・財産を守るため、年ごとに大規模化する
自然災害に対応するため、防災・減災対策にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 続きまして、認知症対策についてお尋ねいたします。 急速に高齢化が進む我が国にあって、認知症の人が二○一五年に五百万人を超え、二○二五年には約七百万人に増加するとされ、六十五歳以上の五人に一人が認知症になると言われています。まさに認知症対策は待ったなしの課題であり、他の都道府県より高齢化が早い本県におきましても、言わずもがなでありましょう。 認知症の人とその家族は、医療や介護に限らず、生活する上でさまざまな課題に直面しています。そしてその都度、周りの人に相談しながらようやく解決しているのが実情ではないでしょうか。 人生百年時代と言われる中、八十五歳以上になると半数が認知症になると言われており、社会のあり方を大きく転換する必要があると考えます。 公明党認知症対策推進本部は、本年五月二十九日、提言「認知症施策トータルビジョン─認知症の人が希望をもって暮らせる社会へ─」を政府へ提出いたしました。 認知症施策をめぐり我が党は、二○一七年十二月、政府を挙げて総合的に取り組むよう訴える提言を提出、昨年九月には、認知症施策推進基本法案の骨子案を発表し、これを受け政府は、昨年十二月、関係閣僚会議を設置いたしました。新大綱を取りまとめるに向け、さらなる充実と推進を図るよう提言として今回、トータルビジョンをまとめました。 トータルビジョンの中では、認知症に関する課題が多岐にわたる中、認知症になった本人への支援として、寄り添い、社会参加、診断直後対応、意思決定の視点を重視した施策、家族らの支援では、介護休業・休暇制度の充実や取得しやすい環境整備、地域づくりとして、全国一千百四十四万人に上る認知症サポーターの活躍の場拡大へ、本人・家族の支援にサポーターをつなぐ仕組みの推進を求めています。 現役世代が発症する若年性認知症の人の支援強化、就労の継続や社会参加のための居場所づくり、社会保障を活用した経済的支援など、ワンストップで活用できるようにするコーディネーターの拡充を要請しています。 また、高齢者の運動習慣の確立や社会的孤立の防止を目的とした通いの場への参加、市町におけるその体制整備へ必要な対応を検討、また、軽度認知障害を早期発見する仕組みの構築検討や、認知機能が低下しても進行をおくらせる
取り組みの推進も明記しています。 そして、国を挙げて認知症施策を推進する体制の強化とともに、都道府県や市町村での計画策定を推進するよう主張しております。 認知症の予防研究については、先日、
産業維新の分野において、認知症の予防等に関する共同研究や関連サービス・製品の創出に向けた実証
基盤整備への支援を国に要望されたところであり、まことに心強い限りであります。 これから必要かつ成長が期待できる健康寿命延伸に向けた医療ヘルスケア産業の創出・育成は、
少子高齢化が進む本県にとって最重要な視点であると思います。 本県では、大きく県央部、県西部、県東部、県北部に認知症専門機関として、八つの認知症疾患医療センターを指定し、認知症の鑑別診断、周辺症状と身体合併症への対応、専門医療相談等を実施するとともに、地域の保健医療・介護関係者等との連携の推進、人材の育成等を行うことにより、認知症の人が地域で安心して生活できるよう、地域における支援体制を構築しております。 そこでお尋ねいたします。県は、認知症対策にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 引き続きまして、ひきこもり対策についてお尋ねいたします。 内閣府は、中高年のひきこもりの実態を初めて調査し、本年三月に結果を公表しました。それによりますと、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる四十から六十四歳のひきこもりの人が、全国で六十一万三千人に上るとの推計であります。 ひきこもりは若者だけでなく、さらに上の世代でも深刻になっているという現場の声を受け、公明党が調査の実施を強く訴えてきました。中高年のひきこもりのきっかけは、退職したことが三六・二%、病気、人間関係がうまくいかなかったことがともに二一・三%、職場になじめなかったことが一九・一%と続いています。 また、今回の調査結果の中で、とりわけ深刻なのは長期化であります。ひきこもりの期間が七年以上の人は四六・七%で、二十年超の人は全体の一九・一%、二十代でひきこもり状態となり、四十代、五十代となった人や家族の苦悩を考えると、その対策は喫緊の課題であり、五十代のひきこもりの子供の面倒を八十代の親が見る八○五○問題が、共倒れリスクとあわせて指摘されておりますが、今回の調査でも、対象者の三四・一%が父、母に生計を頼っている実態が明らかになっています。引きこもる人だけでなく、世帯単位で支援する視点が重要と考えます。 公明党山口県議団も県内のひきこもり家族会の方々、支援団体からお声をお聞きし、県議会でも幾度となく取り上げ、本県における、ひきこもり地域支援センターの設置、拡充をリードしてまいりました。 また地方の声を国に届け、ひきこもり対策推進事業の予算拡充を求めてまいりました。市町が所管するひきこもりサポート事業は、平成三十年度より予算化されて、国庫補助の対象とされ、より住民に身近な市町で、ひきこもり本人や御家族に対する早期的・継続的な支援の実現が求められています。 まずは、誰にも相談できず孤立する本人や家族を見つけ出し、支援の手を差し伸べる体制づくりが急がれます。自治体やNPO、福祉関係者など幅広い機関が連携・協力を進めて孤立に気づき、寄り添うように支える必要があります。相談に来るのを待たず、当事者の自宅を訪ねるアウトリーチ型支援の充実が、社会的孤立を防ぐ手だてとなると考えます。 また、ひきこもりの人が再度就職しようと意を決して行政機関を訪ね、相談をしたものの、ひきこもりに至ったいきさつや本人の置かれた状況が十分に伝わらず、適切な相談対応が受けられなかったことや、本人の能力に見合わない仕事を紹介され、再び家から出られなくなった時期もあったことを、今は、少しずつ社会に復帰しようとしている三十代の男性からお話をお聞きしました。 私は、この話をお聞きし、全ての自治体の相談窓口や支援部署の方が、引きこもる人の気持ちや特性を理解できるスタッフの配置、理解を深めるための研修によって人材を育成し、細やかな支援が必要と考えます。 本県にも設置されていますひきこもり地域支援センターには、主導的な役割を期待するとともに、ひきこもりの人と継続的にかかわる、ひきこもりサポーターの養成も一層進めていただきたい。 そこでお尋ねいたします。ひきこもりの人を抱える家族の方が、相談できる窓口・居場所づくり、国、県、市町や関係機関とのネットワークの強化にどのように取り組まれていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 続きまして、ドクターヘリについてお尋ねいたします。 平成十一年に、試行ながら国内初のドクターヘリが産声を上げて、ことしで二十年目を迎えます。 その間、私たち公明党は、国政において、平成十九年六月の救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法、いわゆるドクターヘリ特別措置法の成立をリードし、全国配備に向けて
基盤整備を進めてきました。その結果、今では、ドクターヘリが四十三の道府県に配備され、計五十三機が全国で活躍しており、出動実績は年間二万五千件を超えている状況にあります。 また、公明党県議団も、本県での配備や運航体制の構築に関し、これまで
代表質問や一般質問を通じ、国内外の先進事例を踏まえながら、数多くの提言、要望を行ってきました。こうした
取り組みが、消防防災ヘリのドクターヘリ的運用からドクターヘリの導入に進化を遂げ、救急医療の強化に役立ったものと考えます。 本県では、平成二十三年一月の運航開始以降、ドクターヘリの出動累計件数は、今や二千百件を超え、ほぼ毎日、空飛ぶ救命救急センターとして救急現場を飛び立ち、県民への安心・安全の構築に多大な貢献を果たしています。 さらに、隣県の広島県、島根県との広域での運航開始による搬送体制の強化を図ったことや、東日本大震災や熊本地震などの災害発生時には、被災地での救急搬送に関し、積極的に連携して協力するなど、かけがえのない命を守ることを最優先に、山口県のドクターヘリは目覚ましい活躍をしています。 ドクターヘリの導入を積極的に推進してきた私たち公明党県議団にとっても、非常に感慨深いものがあり、また、ドクターヘリの運航にさまざまな工夫や改善を図りながら日々対応している基地病院の山口大学医学部附属病院、医療関係者、消防関係者の方々に敬意を感じています。 その一方で、高齢化が進む山口県の姿を見ると、夜間、高齢者に発症しやすいと言われている急性心筋梗塞などの循環器疾患の患者が増加することが予想され、今後は、そうした本県の姿を踏まえたドクターヘリの運航体制の整備を図る必要があると考えています。 特に、中山間地域や二十一にも及ぶ有人離島における夜間の救急体制の整備が、これからのドクターヘリの運航に関する山口県の課題になると思われます。 そこでお尋ねいたします。県内でドクターヘリの運航件数は、年々増加傾向にありますが、県民の安心・安全をより一層高めるためには、現在、午前八時三十分から日没まで運航しているドクターヘリについて、夜間での運航開始などにより、ドクターヘリの運航時間の拡大に向けた
取り組みが必要であると考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 最後に、林業の振興についてお尋ねいたします。 今まさに宝の山になりつつある日本の山、国土の約七割を森林が占め、先進国の中でフィンランドに次いで第二位の森林率、しかし、林業の現場では今、戦後造林された人工林が伐採期を迎える中、人手不足などの影響で、その資源利用を促すには多くの課題があります。人手不足を補うため、期待されるICTを活用したスマート林業の普及が、林業再生への鍵を握り大いに期待されます。 また、今月七日、政府が閣議決定した二○一八年度の森林・林業白書には、林野庁が普及を支援する、耐久性にすぐれた新たな建築木材、直交集成板(CLT)を使った建築物の数は、前年度の二十四棟から四十六棟にほぼ倍増。CLTを本格活用した建築物として国内最高層となる十階建てのマンションが仙台市内に完成したことなどが紹介されております。 国も、森林に対して本格的に手を入れるべく、森林に関する法整備、法改正を行っています。 森林環境税の創設、森林環境譲与税の創設、そして今月五日には、長期間にわたって国有林の伐採権を民間企業に有償で付与できる改正国有林野管理経営法が参院本会議で自民、公明などの各党の賛成多数で可決、成立いたしました。 参入する企業が事業量を見通せるようになるため、林野庁は安定的な木材供給や林業従事者の育成につながると見ており、一年ごとの入札で場所や時期を決定していた契約を国が樹木採取権を設定し、契約を結んだ企業に付与。最長五十年間伐採できるため、企業にとっては機械購入などの事業計画を立てやすくなり、林業への設備投資が見込まれます。 森林の持つ水源涵養機能、森林資源を国土保全に利用するだけでなく、伐採、利用、再植樹の循環で宝の山を維持させ、林業を成長産業に転換していくことが大切であり、そのためには、経営感覚のすぐれた林業経営者の育成や生産コストの縮減を進めていく必要があります。 その上で、政府は二○一九年度予算の林業関係分野で、森林作業の効率化や省力化を可能とするスマート林業の普及加速へ、ICTを活用する先進的な
取り組みとして、自治体や林業事業者らでつくる地域協議会が先端技術を使って森林資源などの情報を共有し、活用する実践的な対策のほか、森林作業を効率化するためのICTを活用した林業機械の開発、改良を推進するための事業に約二億二千万円盛り込んでおります。 本県では、県土に占める森林面積は七二%と全国平均の六七%を超えており、森林面積に占める民有林の面積は九七%と他都道府県に比較して多いため、山に対する県民の意識をマイナスからプラス方向へいざなわなければ放置されたままになるおそれがあります。 そのような中にあって、林業女子会@山口の皆さんが、SNS等を利用して積極的に林業、そして木工品を発信されていることは、山口県林業の将来に期待が持てる明るい話題です。 県としても、やまぐち森林づくり県民税を活用し、荒廃した森林整備、繁茂竹林の整備を積極的に進めておられます。また、ICTを活用したスマート林業、積極的な林内路網の整備を行っておられます。積極的に山に関与することで、豪雨による山地災害防止やイノシシや鹿、猿などが人間の生活する領域を侵すことなく、本来いるべき山奥へ移動するものと考えます。 また、県産木材を利用した建築物の建設を積極的に推進するために川上の供給をふやし、川下の需要を喚起する必要があると思います。 そこでお尋ねいたします。山口県の宝の山を森林所有者が山を持つことに資産価値を感じてもらえ、林業を活性化させるためにどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 以上をもちまして、
代表質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
柳居俊学君)
村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕
◎知事(村岡嗣政君) 曽田議員の
代表質問にお答えします。 まず、大交流維新への挑戦についてのお尋ねです。 人口減少や
少子高齢化が進行する中にあって、本県の活力を創出するためには、地域の強みと潜在力を最大限に生かして、国内外から人を呼び込むこと、域外から需要を取り込むことが重要です。 このため、私は、大交流維新をやまぐち維新プランの三つの柱の一つに掲げ、観光力の強化や物流の拡大、移住・定住の促進に積極的に取り組んでいるところです。 まず、観光については、本県には、絶景や温泉など全国に誇れる魅力ある観光資源が数多く存在し、大きなポテンシャルを有していることから、新たなキャッチフレーズ「YAMAGUCHI MAGIC!」のもと、これを国内外に強力に発信し、本県への観光客の増加につなげていきます。 加えて、今年度はラグビーワールドカップ、来年度は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、本県でも、事前キャンプや交流事業が行われることとなっており、こうした
取り組みも生かしながら、我が国全体で増加するインバウンド需要を確実に取り込み、さらなる誘客の拡大につなげてまいります。 さらに、観光客の利便性向上を図るため、道路網の整備や全県的なキャッシュレス決済の普及、交通系ICカードの導入促進など、受け入れ環境の整備充実を図ってまいります。 県産品の売り込みについては、新たに全県的な推進体制を構築したところであり、地域商社を核として、地域の特色を生かした新商品の開発や、市場規模が大きい大都市圏をターゲットとした戦略的な売り込みを展開していきます。 あわせて、成長著しい海外市場については、世界的な日本食ブームを背景に、高い品質を誇る日本の食材等のニーズが高まっていることから、トップセールスによる売り込みや、山口県版エクスポーターの育成等により、販路の開拓と輸出の拡大を図っていきます。 また、本県企業が有する高い技術力を生かした海外展開については、水産関連技術、製品等の輸出を目指す
県内企業の
取り組みを総合的に支援し、水産インフラ輸出構想を推進してまいります。 移住・定住の促進に向けては、全国的に若者の地方への関心や移住希望が高まり、本県への移住相談件数も増加している、今がまさに
取り組みの強化を図る好機であると考えています。 このため、新たに移住コンシェルジュを配置し、相談から移住後の生活に至るまで、切れ目のないハンズオン支援を行うとともに、地方への人の流れを生み出す
取り組み等を検討する国の有識者会議において、私が提案し制度化された、首都圏からの移住者に対する支援金制度も活用し、一人でも多くの方に本県を選んでいただけるよう取り組んでいきます。 私は、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、国や市町、関係団体等と緊密に連携を図りながら、人や物の流れを飛躍的に拡大し、山口県を活性化する大交流維新に積極果敢に挑戦してまいります。 次に、防災・減災対策についてのお尋ねにお答えします。 昨年の七月豪雨など、全国的にも大規模な災害が頻発している中で、私は、防災・減災対策の強化により、県民誰もが希望を持って、いつまでも安心して暮らし続けられる山口県の基盤を築くことが極めて重要であると考えています。 このため、やまぐち維新プランにおいても、災害に強い
県づくり推進プロジェクトを掲げ、大規模な
自然災害の発生に備え、災害に強い
県づくりを進めるため、住民の防災意識の向上や主体的な防災活動の推進などのソフト対策や、河川改修、砂防・治山堰堤の整備などのハード対策に着実に取り組んでいるところです。 まず、ソフト対策については、災害から命を守るためには、何よりも県民の皆様に適切なタイミングで確実に避難をしていただくことが重要であります。このため、お示しの防災訓練や防災イベントなどを通じた防災意識の向上はもとより、地域住民による自発的な避難行動を促していく必要があります。 こうした認識のもと、現在、市町と一体となって、地域における率先避難や呼びかけ避難の体制づくりなどに取り組んでいるところであり、災害時における逃げおくれゼロの実現に向け、これらの
取り組みを積極的に進めてまいります。 次に、ハード対策については、お示しの、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策等の予算も活用し、氾濫による危険性が特に高い区間における河川内の立木伐採、土砂掘削などの河川改修、避難所や避難路等を保全する砂防堰堤や荒廃山地を復旧する治山堰堤の整備など、緊急性の高いものから重点的・計画的に整備を進めていく考えです。 また、都市公園においては、これまで大規模災害時の活動の拠点となる施設や広域輸送拠点としての機能をあわせ持つ施設を、山口きらら博記念公園などの規模の大きな公園において整備を進めてきたところであり、今後は、被災者の避難地として必要な防災機能を有する施設を、市町が所管する規模の小さな公園において整備を促進してまいります。 加えて、三カ年緊急対策の予算は、事業効果の早期発現に極めて有効であることから、先般の政府要望で、三カ年緊急対策終了後においても、新たに特別枠による予算を確保されるよう強く要望したところであり、今後も、国において、防災・減災対策に係る予算措置がしっかり図られるよう、あらゆる機会を通じて要望してまいります。 私は、県民の暮らしの安心・安全はあらゆることの基本であるとの認識のもと、市町や関係機関と緊密に連携し、ソフト・ハード両面から防災・減災対策のさらなる充実強化に全力で取り組んでまいります。 次に、認知症対策についてのお尋ねにお答えします。 高齢化の進展に伴い、認知症の人の一層の増加が見込まれる中、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で安心して暮らし続けられることが重要です。 このため、私は、やまぐち維新プランにおいて、介護提供体制の充実を掲げ、認知症の人やその家族の視点に立って支援する環境づくりと、保健医療福祉の専門職による支援体制の構築を推進しているところです。 まず、支援の環境づくりについては、認知症サポーターを引き続き養成するとともに、認知症の人同士が体験を共有し、支え合うピアサポート活動が、本人の悩みや不安の軽減に効果的であることから、その手法などを学ぶセミナーを開催し、活動を積極的に支援してまいります。 また、身近な地域で認知症の人やその家族が安心して集える場をさらに拡大していくため、県内の認知症カフェの関係者が一堂に会し、事例発表や意見交換を行う機会を設け、その一層の普及を促進してまいります。 次に、専門職による支援体制の構築については、物忘れや認知機能の低下に悩む人やその家族の不安を受けとめ、より早い段階から適切な支援につなげられるよう、積極的に相談に応じる医師をオレンジドクターとして認定し、身近な医療機関で相談しやすい体制を整備します。 また、一人一人の容体に応じた適切な医療と介護のサービスを提供できるよう、相談を受けたオレンジドクターが、専門の医療機関や地域包括支援センター等と情報を共有し、緊密に連携することで、地域における支援体制を一層強化してまいります。 とりわけ、若年性認知症については、受診がおくれがちであることから、県立こころの医療センターに、精神保健福祉士二名を支援コーディネーターとして配置をし、本人や家族などからの相談対応や企業等への啓発を積極的に行っているところです。 また、運動不足の改善や社会的孤立の解消が、認知症の発症をおくらせる可能性があるとされていることから、リハビリ専門職を指導者として派遣し、高齢者が仲間とともに楽しく運動を継続できる通いの場の拡大を促進してまいります。 なお、お示しの予防研究については、先般、国に対し、共同研究や関連サービス等の創出への支援を要望したところであり、今後、山口市、山口大学、企業等と連携し、認知症のリスク低減や予防等に関する実証事業の実施に向けて
取り組みを進めてまいります。 私は、新たな施策大綱の策定に向けた国の動向も踏まえながら、今後とも、市町や関係団体等と連携し、認知症になっても希望を持って暮らし続けられる地域づくりに向けて、認知症施策の充実に積極的に取り組んでまいります。 次に、ひきこもり対策についてのお尋ねにお答えします。 ひきこもりは、本人のみならず、家族、地域など、取り巻く環境が複雑に絡み合っており、長期化すると悩みが複雑化・深刻化するおそれがあることから、早いうちから個々の状況に応じた適切な支援につなぐことが重要です。 このため、私は、事例に応じたきめ細かな支援ができる拠点として、精神保健福祉センター及び県内九カ所の保健所をひきこもり地域支援センターに位置づけ、圏域ごとに把握した課題を踏まえて、家族の方の相談窓口や居場所づくり、関係機関等とのネットワークづくりに取り組んでいます。 まず、相談窓口を各ひきこもり地域支援センターに設置をし、身近な場所で相談しやすい体制を整備するとともに、今後は、ひきこもり支援に要する知識や技術のさらなる向上に向けて、相談に当たる保健師等を対象にした研修内容の充実を図ることとしています。 また、家族同士が支え合う居場所については、家族の方々の精神的な負担を軽減する上で重要であることから、家族会の意向を取り入れながら、引き続き、家族が社会とのつながりが保てるよう、家族会の活動を支援してまいります。 次に、ネットワークづくりについては、ひきこもりが長期化傾向にあり、背景に人間関係等多様な要因が影響していることから、センターが中心となって幅広い世代のひきこもり状態にある本人や家族への支援ができるよう、関係者が連携した体制づくりを行っているところです。 具体的には、圏域ネットワーク会議での効果的な
取り組み事例の共有に加え、医療、福祉、就労支援を初めとしたより多くの分野からの関係者の参加を促すことにより、複雑化した相談内容を要因ごとに整理し、解決に向けて専門の関係者へつなぐことができる体制づくりの構築に努めています。 こうした
取り組みにあわせて、お示しの本人や家族が誰にも相談できずに孤立している事例や、相談に出向くことが困難な事例などに対応し、一人でも多くのひきこもり状態にある本人や家族に支援の手が届くよう、訪問支援の充実を図る必要があります。 このため、ひきこもりに関する正しい理解を身につけ、本人や家族を訪問し、寄り添えるひきこもりサポーターを、これまで約三百五十名養成しており、市町やNPO法人等を対象とした養成研修の開催により、さらなる増員を図ってまいります。 さらに、生活困窮者に対し、生活習慣の改善など就労に向けた基礎的な能力の養成に取り組む就労準備支援事業との連携を強化し、本人や家族の経済的な自立につながるよう支援を拡充してまいります。 私は、今後とも、国、市町、NPOなどの民間団体等との連携のもと、本人や家族を地域で見守り支えていけるよう、ひきこもり対策の一層の充実に努めてまいります。 次に、ドクターヘリについてのお尋ねにお答えします。 私は、県民誰もが住みなれた地域で健康で安心して暮らしていけるよう、迅速な救命救急医療や適切な高度医療を県内全域に提供できる体制を確保することは、極めて重要と考えています。 このため、中山間地域及び有人離島を多く抱え、五つの救命救急センターが全て山陽側にある本県の特性を踏まえて、山口県保健医療計画に基づき、ドクターヘリの運航を通じて、県内おおむね三十分以内での初期治療の開始や救命救急センター等への搬送体制を確保してきたところです。 また、これにあわせて、ヘリの機動力を高めるため、ランデブーポイントのさらなる確保、重篤な患者搬送や災害時を想定した実践的な訓練の実施、広島・島根両県との広域運航の開始により、運航体制の強化にも取り組んでまいりました。 こうした
取り組みの結果、ドクターヘリは、近年では年間三百件を超える搬送実績を上げていることから、広く県民の方々の暮らしの安心・安全の確保に寄与しているものと考えています。 その一方で、ドクターヘリは、日中での操縦士の目視による飛行を前提としていることから、夜間に現場での救命処置が急がれる交通事故や、早期の搬送が必要となる急性心筋梗塞などが発生した場合に対応するため、夜間運航体制の構築が課題となっています。 しかしながら、ドクターヘリは、夜間運航に関する安全性が確立されていないことから、国は夜間の運航基準を定めておらず、全国的に実施されていない状況にあります。 また、夜間運航は、管制官が指示する経路に従って飛行するため、機体の位置や姿勢を正確に把握する精密な電子機器の整備や、ランデブーポイントへの電波誘導装置及び夜間照明の設置、専門資格を持つ操縦士の追加配置などが最低限必要となることから、県独自の実施は厳しいと考えています。 こうしたことから、県では、夜間救急患者の搬送は、その体制が整っている自衛隊や海上保安庁の協力を得て、萩市見島を初めとする離島において実施しているところであり、引き続き、十分な連携を図りながら適切に対応することとしています。 お尋ねの運航時間の拡大につきましては、今後とも、ドクターヘリによる高い救命効果をより発揮させるために、検討すべき課題であると認識しています。 このため、現在の午前八時三十分から日没までの運航時間の拡大の可能性について、飛行条件や運航体制などを整理しながら、国や基地病院である山口大学医学部附属病院、航空管制にかかわる自衛隊等とも協議を進めてまいります。 私は、今後とも一人でも多くのとうとい命が救われるよう、ドクターヘリの効果的な運用を通じて、県民の安心・安全を支える救急医療体制の充実に積極的に取り組んでまいります。 次に、林業の振興についてのお尋ねにお答えします。 本県の人工林の多くが本格的な利用期を迎える中、この豊かな森林資源を生かし、林業の成長産業化を実現するには、県産木材の需要拡大を図りつつ、供給力を強化し、切って、使って、植える循環利用を促進することが重要です。 このため、優良県産木材を使った、やまぐち木の家の建築や高性能林業機械の導入促進など、需要と供給の両面からその拡大に取り組んでおり、新たなバイオマス発電所の建設など、多様な需要が見込まれるとともに、計画的な生産基盤の整備により、供給量も、近年、着実に増加しています。 その一方で、木材価格の長期的な低迷等により、林業への関心が薄れ、適切な経営管理が行われていない森林も多く見受けられるなど、木材需要が拡大傾向にあるにもかかわらず、豊富な森林資源が十分に生かされていない状況にあります。 こうしたことから、私は、豊かな森林を生かした林業の活性化を図るため、ICT等の先端技術の導入や林業事業体の育成等、木材供給力の強化に
取り組み、収益性の向上を図ることで林業への関心を高めるとともに、成長産業化に向け、森林資源の循環利用を積極的に進めています。 まず、先端技術の導入については、多様な需要に的確に対応するため、今年度から、森林資源や地形等の情報を高精度かつ広範囲に計測し解析する、航空レーザー測量の導入に
取り組み、効率的な生産計画の作成を促進します。 また、高性能林業機械に搭載されたセンサーにより、伐採時に木材の質や量を読み取り、その情報を川下の流通・加工業者等とリアルタイムで共有できるマッチングシステムの構築に取り組むなど、スマート林業を積極的に推進していきます。 林業事業体の育成については、経営基盤の強化を図るため、就業前に必要な知識と技術を習得する短期育成塾により、即戦力となる現場技能者を育成するとともに、専門アドバイザーの活用により、先端技術等を経営に生かせるすぐれた林業経営者の育成に努めます。 循環利用については、持続可能な林業経営の拡大を促進するため、林業事業体等による適切な管理に加え、今年度からスタートした、森林経営管理制度による
取り組みを市町や関係団体等と一丸となって推進し、森林の集積と適切な経営管理を進めてまいります。 また、循環利用を進める上で欠かせない主伐後の再造林の省力化を図るため、伐採と植栽作業を同時並行して行う低コストな再造林技術を普及していくことにより、効率的な森林整備を推進していきます。 私は、森林所有者にとって魅力のある収益性の高い林業経営の確立を図るため、成長産業化に向けた
取り組みを積極的に推進し、本県林業の振興を図ってまいります。 ─────────────
○議長(
柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時四十六分休憩 ───────────── 午後一時開議
○副議長(藤生通陽君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ─────────────
△日程第一
代表質問
△日程第二議案第一号から第十二号まで
○副議長(藤生通陽君) 日程第一、
代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第十二号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 井上剛君。 〔井上剛君登壇〕(拍手)
◆(井上剛君) 皆さん、こんにちは。民政会の井上剛です。早速、通告に従い
代表質問させていただきます。 まず初めに、新しい令和の時代を迎えての対応についてお伺いいたします。 国の今年度の一般会計予算は、全世代型社会保障制度の確立などによる
少子高齢化への対応を初め、経済再生と財政健全化の両立を実現するものとして編成されました。 財政健全化については、二○二五年度、国、地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を目指しているとしていますが、内閣府が一月に発表した中長期の経済財政に関する試算を見ますと、二○二○年代前半に実質二%、名目三%以上の経済成長を実現するとする成長実現ケースでも、二○二五年度で約一・一兆円の赤字であり、黒字化は二○二六年度としています。 経済成長率が中長期的に実質一%程度、名目でも一%台後半程度とするベースラインケースでは、二○二五年度で六・八兆円の赤字、提示されている二○二八年度でも六・二兆円の赤字であり、とても厳しい状況であると言えます。 昭和の時代は、豊かな国民生活を実現するとともに、全国的にインフラなどの整備が進み、全国民が一定水準の行政サービスを享受できる社会制度も築き上げてきました。 しかし、平成に入りますと、バブルの崩壊やリーマンショックとともに右肩上がりの経済成長は終えんを迎え、それに加え、世界でも経験したことのないような
少子高齢化の進展などによる財源不足や県民ニーズの多様化、そして相次ぐ大規模
自然災害の発生などで、地方行政の果たす役割も大きくなってきています。 そして、迎えました令和の時代。二百二年ぶりとなる譲位による新時代の幕あけは、国民全体がお祝いし、天皇陛下の御退位と御即位の儀式は、テレビだけでなくインターネットでも生中継され、多くの国民がその様子、そしてお言葉を直接お聞きすることができました。まさに、情報通信革命が本格化してきたと感じました。 これからの令和の時代は、人口減少、グローバル化、そしてAIやIoTなどの情報通信革命に対し、スピーディーに対応していかなくてはなりません。 一点目として、こうした目まぐるしく変化する新たな時代を迎え、「活力みなぎる山口県」を実現していくには、必要な情報が素早く知事を初めとした幹部職員に集積し、スピーディーに的確なかじを切っていかねばなりません。 組織は、意思決定プロセスや情報伝達プロセスがトップダウンの要素が大きくなると、よい報告はすぐに上がりますが、悪い報告はなかなか上がりにくくなり、情報伝達・コミュニケーション不足が結果として事態を悪化させることにもつながりかねません。 最近、兵庫県明石市での道路工事に端を発した問題を初め、民間企業でもそうした事案が発生しているのは御案内のとおりです。 こうした時代の変化の激しい中だからこそ、素早い情報収集と対応が必要です。知事としてどのように情報を収集し、対応していかれるのかお伺いいたします。 二点目は、予算のマネジメントについてお伺いいたします。 昨年十月に発表されました予算編成方針でも、今年度の財源不足額は、昨年十月時点で約二百九十億円が見込まれているとしていました。これは、二○一七年度から取り組まれた行財政構造改革で、
取り組み前に試算された二百九十八億円から地方財政対策などを踏まえ、財源不足見込み額を再試算したものにすぎません。 二○一七年度から県は、財源確保対策にも歳出構造改革にも取り組まれています。
取り組みの中身によって、その効果額が面積として反映できるものや一時的な高さしか効果が出ないものもあります。 しかし、それは予算編成方針の中では反映されていません。私は、二○一七年十一月議会でもこの問題を取り上げ、そのことを指摘しました。 当時の御回答では、堅実な財政運営を推進するためには、確実な見積もりに基づく歳入歳出予算を計上する必要があり、予算編成方針の時点では改革の効果額は確定していないことから、収支見込みに反映することは適切でないとの御回答でした。 しかし、今年度は、二○一七年度の効果額は確定していたはずですが、それすら反映していません。 先ほど申しましたように、これからの時代は、素早く情報収集し、実績と改革の効果額を把握あるいは予測し、狙ったところに着地させていくマネジメントが重要です。確定を待っていたのでは、時既に遅しとなります。だからこそ今後は、行財政構造改革の効果などをしっかりと反映させた上で、予算編成や予算のマネジメントをすべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、少子化の対応についてお伺いいたします。 我が国の年間の出生数は、戦後の第一次ベビーブーム期には約二百七十万人、昭和四十六年から四十九年の第二次ベビーブーム期には約二百万人を超えるものでしたが、昭和五十年から減少傾向に入り、平成二十八年には九十七万六千九百七十八人となり、一八九九年(明治三十二年)の統計開始以来、初めて百万人を下回りました。そして、減少はとまらず、昨年は九十一万八千三百九十七人となりました。 合計特殊出生率では、二○○五年の一・二六を底として上昇傾向にはありますが、人口を維持するために必要とされている二・○七を大きく下回る一・四二となり、政府が掲げる二○二五年の目標一・八にもほど遠いものです。 山口県においても、昭和四十年代は約二万四千人の出生数でしたが、平成二十八年に初めて一万人を下回り、昨年は八千九百八十七人と減少傾向がとまりません。合計特殊出生率で見ますと、国内平均を上回っているものの一・五四です。 出生数が減少している主な原因として、二十歳から三十九歳の女性人口の大幅な減少や初婚年齢、五十歳時未婚率、出産年齢の上昇を上げています。 そこで一点目として、女性の県外流出防止についてお伺いいたします。 本県では、高校卒業時の進学や就職、大学卒業時の就職といったタイミングで県外に出ていく女性が多いと言われています。十八歳ぐらいから現在年齢人口がかつての出生数を下回り始め、三十歳ぐらいになると、かつての出生数から見ますと七五%の方しか残っていません。それだけ若い女性が県外に流出しているのです。 したがって、全国平均並みの少子化にするためには、全国よりも二五%も出生率を引き上げなければならず、本県における最も効果的な少子化対策は、若い女性の県外流出の防止にあるとも言えます。 現在、高校生・大学生などの県内就職・定着支援の強化事業によって、高校を卒業した方の県内就職率は向上しています。 しかし、専門学校を含め女性の大学進学率は、この三十年間で五割強から七割を超えるまで増加しており、その多くが首都圏や広島県、福岡県といった近隣県に進学し、そのまま就職し戻ってこないと考えられています。 専門学校を含め県内の進学先の選択肢をふやす、県内大学や専門学校の魅力を高めるなど流出減の対策を講じるとともに、企業とタイアップし、若年女性が就職したいと思うような働く場の多様性をふやすことも重要です。 また、教育段階の早いうちから本県の産業や生活環境の優位性を伝え、進学で県外に出たとしても、Uターンで県内に就職する機運を醸成することも必要です。知事の御所見をお伺いいたします。 二点目として、
子育て支援と財源確保についてです。 本県では、若い世代が結婚の希望をかなえ、安心して子供を産み育てることができるよう、社会全体で子供と子育て世帯を支える
県づくりを推進しています。 そして、みんなで子育て応援山口県の推進として、結婚、妊娠・出産、子育てに対する切れ目のない支援や、社会全体で子育てを応援する体制を一層充実させていくとし、その財源確保として、やまぐち子ども・子育て応援ファンドも創設いたしました。 県では平成三十一年度、社会保障施策への経費として一千百五十五億円を計上し、そのうち子ども・
子育て支援の充実として五十二・三億円を充てられています。しかし、この金額はこの五年間で見てもほぼ横ばいです。 私は、社会全体がこういう課題に向け、本気で向き合うという雰囲気、機運づくりがとても重要だと考えています。それは、若者が自分たちのライフスタイルを楽しみながら、安心して結婚し、子育てできるような社会をつくることであり、社会がそうした彼らを見守り、祝福し、バックアップすることが必要です。 私は以前から、子育てを全県挙げて応援する風土づくりや、県のPRに寄与すると考え、森林税と同様のやまぐち子育て応援県民税の導入を訴えてきました。 地方自治体の課税権は、地方税法によって細やかに決められており、地方団体がみずからの判断によって自主的な課税を行う余地が非常に限られていますし、国の同意も必要です。 そして、現在の地方財政制度は、財政基盤の弱い小さな自治体でも全国一律の行政サービスが提供できるように、予算が足りない分を地方交付税交付金などで国が補填する財政調整の仕組みを持っているため、知恵を絞って自助努力で税収確保を図っても、そのような自治体は逆に交付金を減らされてしまう側面があることも確かです。 しかし、これからの地方創生は、多様化したそれぞれの地域ニーズに合った政策に選択と集中できるように、地方自治体の課税自主権の自由度を拡充することも、国に求めていく必要があると考えています。 知事として、みんなで子育て応援山口県を実現し、子育てするなら山口県と感じてもらうために、社会全体で子供と子育て世帯を支える環境づくりにどのように取り組まれるのか、また課税自主権を活用したやまぐち子育て応援県民税の導入に対する御所見をお伺いいたします。 次に、ものづくりの活性化についてお伺いいたします。 第二次世界大戦後の日本は、ものづくり産業の牽引によって貿易立国を実現しました。それを受け継いだ平成は、バブル崩壊やリーマンショックなどを経験し、二○一一年東日本大震災での影響を受け、一九八一年以降で初めて貿易赤字に転落し、その影響は二○一五年まで続きました。 その後、アベノミクスや大胆な金融政策によって回復してまいりましたが、二○一八年は資源価格の高騰を主原因として、三年ぶりに一兆二千二百億円の赤字とはなりましたが、輸出額は前年を四・一%上回る八十一兆五千億円でした。 我が国では国内総生産(GDP)の約二○%を製造業が占めており、人口減少や
少子高齢化、かつグローバル社会の中で、資源のない我が国がGDPを確保し、豊かな生活を営んでいくには、やはりものづくり産業の発展が重要であります。 また、新たなイノベーションや技術を生み出すという意味でも、ものづくり産業の維持・発展は、今後も重要な課題であります。 中でもここ山口県は昔からの工業県であり、本県はこの強みを生かして産業力の強化に取り組まなければなりません。これからの時代、工業製品だけでなく、
農林水産業から伝統工芸品に至るまで、全てのものづくりが連携した日本をリードするものづくり文化をつくっていかねばと考えています。 もともとものづくりとは、一九九○年代後半に使われるようになった大和言葉であります。 日本の製造業の繁栄は、産業革命のように海外から入ってきた技術によるものではなく、日本の伝統文化や固有文化に源を発するという史観からきています。 つまり、今のものづくりのDNAは農業にあります。天候などに左右される中、多くの収穫を得るために、天候や土などの状況をきめ細かく観察する力、高低差のある土地をうまく活用した作業の効率化、おいしいものをつくるための継続的な改善、みんなで力を合わせる、これが日本のものづくりのベースになったのです。 二宮金次郎さんの「大農は草を見ずに草を刈る、中農は草を見て草を刈る、小農は草を見ても草を刈らず」、この言葉は、製造業における生産工程管理や改善のレベルにも用いられるほどです。 今や、第四次産業革命と言われ、ロボットやAI、IoT、ドローンなどの相次ぐ新技術の開発で、ものづくりは大きく変化するときを迎えています。それは、製造業だけでなく、
農林水産業や伝統工芸品にも及んでいます。 山口県には、すばらしい技術や改善、製品を持っている企業がたくさんあります。今まで考えもしなかったものが、お互いに活用できることもたくさんあります。 現在、産業戦略部では自動車新時代に対応したイノベーション創出プロジェクトや地域産業IoT等導入促進プロジェクト、研究者・技術者の交流促進プロジェクトなどを進めておられます。 これから進む新技術やグローバル化に対し、
農林水産業から伝統工芸品、そして工業に至るまで、全てのものづくりが連携した
取り組みを始めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、
イージス・アショアの配備についてお伺いいたします。 北朝鮮がミサイルを発射すれば、日本にはおよそ十分で到達いたします。Jアラートは、日本にその影響が及ぶと判断したときに発令され、それは日本到達予測時間の四分前と言われています。そして、地上配備型迎撃システム、
イージス・アショアは、その四分前のときに発射されると、二分後には標的地から二百キロ離れた高度百四十キロ付近で迎撃できると言われ、日本全域を北朝鮮や中国などの脅威から守るために、秋田県とここ山口県に配備することが適地とされました。 そして、五月二十八日、防衛副大臣が県庁を訪れ、
イージス・アショアの配備計画において、陸上自衛隊
むつみ演習場が安全に配備、運用できるとし、配備適地との判断を伝えました。
イージス・アショアは二○一七年十二月に二基の導入が閣議決定され、昨年の六月にそのうちの一基がこの
むつみ演習場が候補になったことが伝えられました。 そして、地元住民説明会などを開催し、昨年の十月に適地調査を開始いたしました。地元の阿武町長さんは、昨年七月に配備候補地の再検討を要望し、この五月には町の有権者数の半数以上が明確に配備反対の意思表示をしていることから、配備計画の撤回を要請しました。 知事はかねてから、国防は国の専管事項であり、それを尊重する一方で、県民の安心・安全を確保する立場から言うべきことは言うと言ってこられておられます。私もその考え方に全く同意するものです。 防衛政策を決めるのは国の役割であり、我々は、配備によって住民の安心・安全が守れるのか、
まちづくりに影響は出ないのかをしっかりと確認する必要があり、地元の合意が何よりも大事であると考えます。 そのために県は、萩市さんや阿武町さんとしっかり連携して、国との折衝も必要ですし、萩市さんは防衛省の調査結果を検証するとされましたが、県も独自で国の示した調査結果に対し、調査の方法を含め、データが真に永久的に安心でき得るものなのかをしっかり見きわめなければならないと考えます。 秋田県や秋田市に示した調査結果の数値に誤りがあったことも判明しています。私は、国にばかり押しつけるのではなく、県みずからがそれらをそしゃくし、住民に説明できるだけの理解もしなければならないのだと考えます。 知事は、報告を受け、「住民が懸念していた電磁波や地下水などの影響はわかった。不安を払拭するために丁寧でわかりやすい説明をしてほしい」とおっしゃいました。知事はこれまでも、萩市さんや阿武町さんから懸念点を伺っていたと思いますが、今回の説明では、知事自身も不安は払拭できなかったのでしょうか、お伺いいたします。 また、県として今回の報告の内容の見きわめをどのようにされていかれるおつもりなのか、お伺いいたします。 また、萩市さんや阿武町さんが進める
まちづくりに対し、
イージス・アショア配置の影響をどのように考え、県としてどう支援していかれるおつもりか、お伺いいたします。 そして何よりもそこで働かれ、二十四時間、私たち国民のためにレーダーの近くにいることとなる、自衛官の方々の健康への影響や演習場内へブースターを落下させることによる事故などの心配がないのかが大事です。今回の報告で、そのあたりは確認できたのでしょうか、お伺いいたします。 次に、情報化社会での教育についてお伺いいたします。 どんどん進化する情報通信革命。IT関連のビジネスが拡大する中、政府の産業競争力会議は二○一六年、プログラミング教育の必修化を成長戦略に盛り込みました。他国では早くから導入し、
取り組みは活発化しています。IT人材の不足が指摘される中、小学校から大学まで、人材育成の一貫した戦略が求められています。 そして、いよいよ来年二○二○年度から小学校で、二○二一年度から中学校、そして二○二二年度から高等学校にも新しい指導要領のもとで拡充されていきます。 プログラミング教育とは、プログラミング的思考を習得させることを狙いとし、目的達成のための一連のプロセスを論理的に設計、選択するために必要な力を養うものです。 小学校では、コンピューターに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験することでプログラミング的思考を育む、中学校では、社会におけるコンピューターの役割や影響を理解するとともに、簡単なプログラムを作成できるようにする、高等学校では、コンピューターの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決にコンピューターを活用できるようにすると目標が設定されています。 そこで一点目として、各学校との連携についてお伺いいたします。 プログラミング教育は各学校の裁量に任されています。小学校、中学校、高等学校のそれぞれの学校で、どのような内容に取り組むのかを把握し、進学での連携接続をうまくしなければならないと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 二点目は、環境の整備です。 昨年十月に文科省が、学校におけるICT環境の整備状況と教員のICT活用指導力の状況を発表しました。その内容のうち本県の状況を見てみますと、教育用コンピューター一台当たりの児童生徒数、普通教室の無線LAN整備率、教員の校務用コンピューター整備率では全国平均を上回っていますが、普通教室の電子黒板整備率、統合型校務支援システム整備率は平均以下、超高速インターネット接続率では全国で最低となっています。また、教員のICT活用指導力の状況は、設定されている六項目全てで全国平均を上回っていました。 文科省では、二○二二年度までのそれぞれの目標設定がされていますが、目標に対して達成率が五○%にも達していないものが三項目もあります。 国は必要な経費については、二○一八年から二○二二年度までの単年度千八百五億円の地方財政措置を講じるとしていますが、学校におけるICT環境の整備と教員のICT活用指導力の向上に対し、どのように取り組まれるのかお伺いいたします。 三点目は、情報化社会への基礎教育についてです。 先日、IT技術者向けの国家試験に九歳の子供が合格し、最年少記録を塗りかえました。今の子供たちは、生まれたときからインターネットやパソコンのある環境で育っており、デジタルネーティブと呼ばれています。 スマホやタブレット端末が子供たちの間で急速に普及している中、あらゆる情報があふれると同時に、みずからの情報発信でいろんなトラブルに巻き込まれている例は数多くあります。悪徳商法での課金、プライバシーの保護や著作権に対する正しい認識、セキュリティーの大切さなど、今後、学校でもICT環境を整え教育を進めていく上では、こうした情報化社会の基礎教育を、学校や家庭が連携して行っていかなければなりません。教育長の御所見をお伺いいたします。 最後に、悲惨な交通事故防止についてお伺いいたします。 全国で、車の暴走などによる交通事故が相次いでいます。池袋で発生しました、八十七歳の高齢者が運転する車が暴走し横断歩道を渡っていた母子二名が犠牲となった事故、滋賀県大津市の交差点で二台の車の衝突に巻き込まれた保育園児ら十六名の死傷事故、神戸バスのアクセルとブレーキを間違えて歩行者八名を死傷させた事故、千葉県の駐車場から出た車が前の公園に突っ込み、砂場にいた園児をかばった
保育士さんがけがをした事故などなど。特に高齢ドライバーによる事故が多いと感じています。 警察庁が二月に発表しました資料によりますと、昨年七十五歳以上の方が第一当事者となった交通死亡事故は四百六十件で、全体の一四・八%を占め、割合で見ますと過去最高で十年前の一・七倍にも上っています。事故の原因は、ハンドルやブレーキ操作ミスが三○%と七十五歳未満の方の二倍にもなっています。 本県においても、七十五歳以上の方が第一当事者となった交通死亡事故が昨年は十一件と全体の二一・二%を占め、割合で見ますと十年前の一・三倍にもなっています。 御高齢の方に免許証の自主返納を促す声も多いのですが、公共交通機関が発達してない本県では、車がないと生活が困難になる場合も多く、なかなか進まないのが実態です。自主返納者への支援協賛企業をふやすことや、コミュニティーバスの運行推進を図っていくことも必要です。 以前紹介しました衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報などのシステムを搭載した、いわゆる先進安全自動車の普及推進や、これらの機能を有効に生かすための道路区画線の維持管理も重要です。 しかし、最近の悲惨な事故の状況を見てみますと、ブレーキをかけていない、ブレーキ痕がない、アクセルとブレーキの踏み間違いといったブレーキ操作に関するものが非常に多いと感じています。 もちろん個々の事故では、ブレーキは間に合わなかったというのもあるでしょうが、急ブレーキを踏めば命が助かっていたという場面もないわけではありません。 先ほど紹介しました事故でも、ドライブレコーダーに大きな事故になる前に、運転手さんが異常を感じて声を発していることが録音されていました。大津の事故でも、急ブレーキ操作をせずに、ハンドル操作だけで衝突を回避しようとしたことで車が歩道に乗り上げ、保育園児らを巻き込んでしまっています。 衝突エネルギーは、速度の二乗に比例しますから、急ブレーキの活用による衝突被害軽減の効果はとても大きいのです。 そもそも自動二輪は、運転免許取得の際に実技試験で急ブレーキの課題がありますが、自動車の免許を取得する際には、そうした急ブレーキの課題は入っていません。そのために、急ブレーキ操作をしたことがない、あるいはとっさのときにその操作ができないという方が多いように感じます。 急ブレーキをかけるとタイヤがロックしてしまい、かえって車を制御できないのではと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、今ではほとんどの車にABS──アンチロックブレーキシステムがついています。 私の世代を含め、高齢の方々のほとんどの方が、ABS標準装備以前に教習所で習っており、急ブレーキはよくないことと思い込み過ぎている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、なれない方はABSが作動すると、ペダル振動や音がすることで驚き、ペダルから足を離してしまうおそれもあります。 JAF京都支部では、五十歳以上の方を対象とした体験型の運転講習シニアドライバーズスクールを開催しており、参加者は急ブレーキやハンドル操作などの運転技能講習を受けます。そこでも、ハンドル操作で危険回避しがちだが、ブレーキを踏み込むことで事故の程度を抑えられると助言しています。 山口県警察としても、免許更新時での高齢者講習において、こうした講習を取り入れることも必要なのではないかと考えています。 近年の相次ぐ交通事故を受け、県警察としてどのように対応していかれるのか、御所見をお伺いいたします。 以上で、
代表質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)